アレンとリナリーの攻撃によって、完全に沈黙したかのようにみえたレベル4。教団内部を安堵の空気が包み込む。しかしレベル4は完全には息絶えてはいなかった。アレンの剣に体を貫かれながら、凄まじい表情を浮かべ立ち上がる。驚きを隠せないアレンたちにレベル4が繰り出す強力なエネルギー弾が襲いかかる。
レベル4の攻撃により壊滅の危機が教団に迫る。その局面を打開するため、リナリーはイノセンスを体の中に入れるという決断をする。リナリーの脳裏にはコムイと過ごした懐かしい日々の記憶が浮かんでは消える。自分のために全てを投げ捨ててくれたコムイ。その借りを返すために、リナリーは躊躇なくイノセンスを飲み込むが・・・。
圧倒的な強さを誇るレベル4のアクマは、前に立ちはだかるアレンを戦闘不能へ追い込むと教団本部内へと侵攻を開始する。コムイや教団メンバーは緊急放送が告げる「レベル4襲来」の事実に驚愕する。コムイはアクマを迎え撃とうと結界装置を準備をするが、レベル4が目の前に現れてしまう。
とうとう誕生してしまったレベル4のアクマ。アレンはレベル4のアクマに内蔵された人間の魂を見るが余りに酷い姿に変化していて正視することが出来ない。アレンは魂を救済するためにレベル4に攻撃を仕掛けるが、全て受け流されてしまう。レベル4の強さは圧倒的でアレンの剣を持つ手が震えだす。
圧倒的な力でアクマ達を一網打尽にしてしまった元帥たち。続いて元帥たちは、「卵」を破壊しようと試みる。すると突然、ミランダが床から噴き出した水柱の中に閉じ込められてしまう。もがき苦しむミランダ。呆然とする皆の前で、正体不明のこの水柱は女性の姿へと形を変えていく。
研究室に乗り込み、無数のアクマを相手に戦うアレンとブックマン。しかし、次々現れるアクマにアレンは行く手を阻まれ、ブックマンは壁に貼り付けられ結晶化されてしまう。そうしている間にも、「卵」はルル=ベルに奪われ、仲間たちは犠牲になってゆく・・・。
アンドリューに化けたルル=ベルと、無数のアクマ達によって、次々に襲われてゆく科学班員たち。アクマの存在に気づき、研究室に駆けつけたアレン達だが、ドアが塞がっていて中に入れない。奴らの狙いは一体・・・?
アレンの前に突然現れた監査官、リンク。彼は教団の命令で、アレンを監視に来たという。リンクの話に動揺したアレンは、窓ガラスに映る自分の背後に、奏者の影を見る。一方、ルベリエと対面したリナリーは、幼少時代の記憶が蘇ってきて・・・。
アレンたちの帰還に沸く黒の教団本部。しかしそんな雰囲気に水を注すように、中央庁から派遣された特別監査役、マルコム=C=ルベリエという人物によるクロスの諮問会議が開かれる。その席上、クロスの今までの悪行の数々が並べ立てられる。しかしクロスは平然と聞き流し相手にしない。
アレンの奏でたメロディは奇跡をもたらし、再生を果たした方舟。離れ離れになってしまった神田、クロウリーとも無事に再会することを果たし、喜びに沸くアレンたち。しかし喜びに包まれていたのはアレンたちだけではなかった。アレンたちの無事を祈っていた中国支部そして本部の仲間も皆、喜びを爆発させていた!
「14番目の秘密の部屋」にやってきたアレン。視界に飛び込んだピアノの前に立つと、頭の中にメロディがあふれ出し、腕が鍵盤を弾き始める。唖然とするアレンにクロスからの連絡が入る。「方舟を操れ! お前の望みをこめて弾け!」・・・指示の意味がわからず、さらに戸惑うアレン!しかし奇跡を信じ、ありったけの願いを込めて、アレンは鍵盤を弾く。
さらに烈しく崩壊しはじめた方舟内部。その崩壊に巻き込まれ、ラビとチャオジーも消息を絶つ!二人を助けることが出来なかったアレンは千年伯爵に対し、激しい怒りに燃え退魔の剣で切りかかる。憎しみで我を忘れるアレン。するとその時、アレンの体は何者かの仕業によって勝手に動き出す。
変身後のティキの強さは圧倒的で、アレンたちは反撃の手がかりさえ掴めずにいた。 しかし、アレンとラビはあきらめることなくティキに立ち向かっていく。もっとも、絶望的な力の差は決して埋まらない。そんなとき、意外な人物が出現する。アレンたち一同はその人物を見て呆気に取られる。
アレンの剣による一撃で、一度は戦闘不能に陥ったはずのティキ。しかし突然背中に触手を生やし、全身真っ黒の鎧をまとったかのような異形の姿になって復活する。復活した後のティキの強さは変身前の比ではなく、アレンたちエクソシストは全く対抗することが出来ない。
自分に向けて火判を放ったラビ。その紅蓮の業火は容赦なくラビの体を飲み込んでいく。そんな光景を見てアレンは最大限の力を振り絞り、迫り来る炎を剣でなぎ払いラビを助け出そうとする。リナリーは絶叫しラビの名を何度も叫ぶ。しかし炎は完全にラビを包み込んでいく...。
ロードの作り出した異空間へと閉じ込められてしまったラビは、そこで幻による黒の教団の仲間達から攻撃を受ける。これは「ロードによって作り出されたもの」と自分自身に言い聞かせ、幻影を振りほどこうとするラビ。しかし幻は執拗にラビを攻め立て苦しめる。 その苦しみが頂点に達し、ラビは絶叫を上げる。すると周りの風景がラビの幼いころの風景へと変わっていく・・・。
ティキの圧倒的な攻撃の前に打ちのめされるままのアレン。力の差は歴然であったが、アレンは絶望することなく立ち向かっていく。一方、ラビはロードの作り出した夢の空間の中で、ロードの仕掛ける精神的な攻撃に苦しめられていた。
残してきた神田・クロウリーのことが気にかかるも、必ず追いついてくると信じて先を急ぐアレンたち。そしてとうとう塔の一番高い場所にある部屋へと到達する。するとその部屋には...。
デビットとジャスデロが合体して誕生したジャスデビの攻撃によって、大きなダメージを負ってしまったクロウリー。ジャスデビは凄まじい力を持っており、アレンやラビも全く太刀打ちできない。そうしてジャスデビに手を焼いていると...。
デビットとジャスデロによって付けられた「騙しメガネ」によって正常な視覚を奪われてしまったアレンたち。アレンたちの視界は凄い数の鍵によって埋め尽くされてしまっていた。デビットはその鍵の山にアレンから奪った鍵を放り込んでしまう。
デビットとジャスデロの繰り出す能力の正体がわからずに苦戦するアレンたち。デビットとジャスデロはクロスに激しい怒りを抱いており、その怒りを弟子であるアレンにぶつけてくる。その怒りの原因とは...。
スキンの操る鎖によって体の自由を奪われ、強力な電流を何度も流し込まれてしまう神田。しかし渾身の一撃でもって、スキンを切りつける。スキンはイノセンスによって体を蝕まれ、徐々に命を失っていく。その時、スキンは自分がただの人間からノアの一族へと変貌を遂げたときの記憶を思い浮べていた。
神田はスキンの繰り出す凄まじい威力の雷をかわし、幾度も六幻で切りつける。しかしスキンはなかなか倒れない。そうして手をこまねいているうちに地震が起き始める。スキンと戦うこの場所も崩壊間近と判断した神田は、己の命を代償に刀に力を与えるという「禁忌三幻式」という強力な技を繰り出す。
アレンたちの目の前に立ちはだかるスキンに対し、神田はアレンたちを先に行かせ自分一人で対決を挑もうとする。アレンたちが止めようとすると神田は味方であるアレンたちに「六幻」を振るい、「界蟲一幻」まで繰り出す。アレンたちは仕方なしに神田を残して先を急ぐことにするが...。そして始まる神田とスキンの戦い。スキンは戦いが始まるやいなや体中に巨大なエネルギーを蓄え始める。
再生したイノセンス、クラウン・クラウンを用いて千年伯爵を退かせたアレンは、リナリー達と再会の喜びを分かち合う。アレンの胸のうちにはまだスーマンを救えなかったことに対する後悔が重くのしかかっていたが、リナリーの言葉によって救われる。しかし突然、地面に星型の紋章が浮き出て間もなく、リナリーが吸い込まれてしまう。アレンはリナリーを救い出そうと必死に手を伸ばすが、自分まで引きずり込まれそうになる。
千年伯爵に捕らえられたリナリーを救いだしたのは、新たなイノセンスをまとったアレンだった。久しぶりの再会を果たすも、アレンは即座に千年伯爵と戦い始める。勢いよく突っ込んでくるアレンに対し千年伯爵は、レロの柄から剣を取り出し、アレンに切りかかる。
千年伯爵が繰りだした黒いエネルギー波は、猛烈な勢いで江戸の街を飲み込んでいく。ラビ達は巻き込まぬよう必死に逃れるが、リナリーだけがエネルギー波に飲み込まれてしまう。唖然とするラビ!やがてエネルギーが引き起こした爆発・衝撃が引いていくと、江戸の街があった場所には真っ黒な海のようなものが広がっていた。
江戸ではラビ達と千年伯爵とノアの一族との戦いが続いていた。ラビはティキ相手に攻撃を仕掛けるが、ティキの力は圧倒的で劣勢を強いられる。また巨大アクマと対決していたクロウリーとブックマンも同様に窮地に立たされていた。そんな絶体絶命のピンチに陥ったラビ達の前に白刃を携えた男が現れる。
アレンのイノセンスが復活を果たしていたころ、江戸ではラビ達が千年伯爵とノアの一族と激闘を繰り広げていた。途中、千年伯爵が辺りに散らばる大量のアクマたちに命令を下すと、そのアクマ達は合体・融合を繰り返し一匹の大きなアクマになる。ラビ達はその巨大アクマに攻撃を仕掛けるがダメージを与えることが出来ない。
アジア支部内に侵入してきたレベル3のアクマとの戦いの中で、アレンのイノセンスは復活を遂げる。バク・チャンをはじめとするアジア支部科学班は早速、そのイノセンスの解析へと取り掛かる。そしてその解析が済むとアレンは待ち望んだ「戦場」へと戻っていく。
フォーが自分の身代わりとなってレベル3のアクマと戦っていることを知らされたアレンは、バク・チャンの制止を振り切って戦いの場へと戻る。するとそこにはボロボロになってしまったフォーの姿が。怒りに震えるアレンは、イノセンスが復活していないにも関わらずアクマへと戦いを挑む。
アジア支部の中に突然現れたティキから送り込まれたレベル3のアクマ。アレンはこのアクマの「物質分解能力」を用いた攻撃を喰らってしまい、戦闘不能の状態になってしまう。「このままではアレンが殺される」と考えたフォーは擬態の能力を使い、アレンに化けて身代わりになろうとする。
イノセンスを復活させるためにアジア支部にてバク・チャンやフォーと修行を続けるアレン。しかしイノセンスは相変わらず粒子のままで固定化せず、苛立ちと焦りだけが募っていく。そんなアレンの様子を見てアジア支部の職員たちも「本当にイノセンスは再生するのか?」と不信の念を持ち始める。
クロスがいるという江戸へと旅路を急ぐラビたち。しかし、一行の後を日本に上陸したときに遭遇したレベル3のアクマ3体が追いかけてくる。レベル3のアクマは非常に強く、一体でも太刀打ちできない。ラビたちは様々な技を繰り出してなんとか逃げ出そうとするが、レベル3のアクマ達には通用しなかった。
アジア支部でイノセンスを復活させるための訓練を続けるアレン。しかしイノセンスは相変わらず実体化せずに粒子の状態へと戻ってしまう。あまりにも進展しない状況からか?アジア支部内にはアレン、そして彼を支援するバクに対する不信と疑惑が広がっていく。その噂を耳にしたアレンは自分のことだけでなくバクまで巻き込んでしまったことに心を痛める。
ちょめ助の押すボートにのって航海を進めるラビたちは、とうとう日本へとたどり着く。しかし喜びもつかの間、たった一匹にも関わらず苦戦を強いられたレベル3のアクマがなんと3体も現れる。ラビたちはやり過ごすため物陰に隠れ、アクマ達の行動を窺っていると、アクマ達は一匹の弱いアクマを狙って共食いをし始める。目の前の凄惨な光景に一同は言葉を失う。
クロスに改造されたというアクマ、ちょめ助によって海底からひき上がられたリナリーは結晶化したイノセンスによって覆われていた。ブックマンは「イノセンスが己の意志を持って適合者を救った」という過去に全く前例のない現象に衝撃を受ける。今回の件でブックマンはじめラビはリナリーのイノセンスこそがハートなのではないかと考える。
リナリーがエシと戦っている頃、ラビやクロウリーそしてブックマンは雲の中に隠れて光線を船の上へと落としてくる姿なきアクマ達に手を焼いていた。しかしブックマンが対抗する方法を思いつく。ラビはブックマンの指示通り、自然物を操作する技「木判」を繰り出してアクマ達が隠れていた雲をなぎ払う。するとそこには三匹のアクマが。ラビはクロウリーを鎚にのせてアクマ達のいる空へと飛ばす。
エシの持つダークマター「重力操作」の能力によって海中深くへと引きずり込まれてしまったリナリーは、その苦しさの中で妄想とも現実ともつかない不思議なイメージに包まれる。イメージの中でリナリーはアレンと会話をし「自分にとって一番大切なもの」は何なのかを思い出す。そしてその大切なもののために危険を顧みず、イノセンスを最大限に開放する。
船にあらわれたアクマは己のことを「エシ」と名乗り、攻撃を仕掛けてきたブックマンを軽くいなしてしまう。その強さを目の当たりにしたラビは「エシ」がレベル3まで達したアクマであることを見抜く。にもかかわらず、ラビとブックマンの救援に駆けつけたリナリーは一人でこのレベル3のアクマと戦うと宣言し、ラビたちに船を守るために戻るように言う。ラビはリナリーを心配するが船が絶体絶命のピンチを迎えていると聞き、仕方なく戻ることに。船へと戻ったラビたちはアクマの発する夥しい数の光線が甲板中に降り注いでいる光景を目の当たりにする。
江戸に向けて船を進めるラビやリナリー達。夜になり辺りを闇が覆う。昼間の喧騒は遠のき、皆それぞれ自分の思いに沈み込む。しかし突然、船の甲板が何者かの手によって破壊され、ミランダのイノセンスの能力「時間回復(リカバリー)」が作動し始める。皆が甲板へと駆けつけるとそこでは閃光がはじけ爆発が起き、帆やマストが吹き飛ばされていた。そして爆風が止み、煙が引いていくとそこに一匹の今までに見たことのないアクマが立っていた。
イノセンスを復活させようとするアレンだが、粒子化したイノセンスは実体化する前に霧散してしまう。そこでアレンはバク・チャンの考えた方法を試みることに...。その方法とは、アジア支部の守り神である「フォー」との実戦を通じて危機感をあおりイノセンスの変化を待つというものだった。アジア支部を挙げてのアレンのイノセンス復活作戦が始まる!!
見覚えのない部屋で目を覚ましたアレン。「立ち止まるな、歩き続けろ」というマナとの誓いに促されて、アクマ達が待つ戦場へと戻ろうとする。しかし、イノセンスは破壊され、ボロボロの体だ。そんなアレンにアジア支部長バク・チャンと名乗る男が声をかける。「エクソシストではなくても、教団に貢献する方法はある。サポートする側にならないか?」と。アレンは「自分にはエクソシスト以外の道はない」とその誘いをはねつけるが・・・。
消息を絶ったアレンを懸命に捜すリナリーとラビ。と、アクマの群れに追われるテイムキャンピーに遭遇する。ふたりはティムキャンピーを保護すると、アレンの手がかりを捜すためにティムの内部に記憶されている映像を確かめる。するとそこにはノアの一族ティキによってイノセンスを破壊され、絶命の危機に瀕したアレンの姿が映っていた。ラビとリナリーはあまりの出来事にショックをうけ、映像が物語る場所へと急いだ。しかし、その場所にたどり着いた二人を待っていたのは…。
アレンの目の前で、突然絶命してしまうスーマン。呆然とするアレンの前に蝶々の群れと共に謎の男(ティキ)が現れる。アレンはその男がノアの一族であることを認め、猛然と殴りかかる。しかし攻撃が軽くかわされるだけでなく、胸へと腕を突き刺されてしまう。不思議なことにアレンから血は一滴も出ないし痛みもなかった。ティキは「自分が触れたいと思うもの意外はなんでも通り抜けられることが出来る」という特殊な能力の持ち主だったのだ。そしてティキはアレンの心臓へと手を伸ばす・・・。
「咎落ち」状態になったスーマンの暴走は止まらなかった。アレンも力及ばず、村は破壊され、人々は悲嘆の叫びを上げて逃げ惑う。その時スーマンの耳に、親の死を悲しむ少年の悲痛な叫びが聞こえた。ふと我に返るスーマン。しかし、それを機にスーマンの体の崩壊が始まる。暴走と破壊の増幅のなか、アレンは最大限まで解放したイノセンスの反動か、左腕が動かない状況に陥った。己の無力さに絶望し、打ちひしがれていくアレン…。
「咎落ち」の状態にあるスーマンの内部に取り込まれたアレンは、そこでスーマンの実体というべき存在と遭遇する。アレンは破壊行動をやめるように説得するが、スーマンはエクソシストと神に対する怨念の塊のようになっており、まるで聞く耳をもたない。 その時「咎落ち」状態の白き巨大な体は人里近くまで接近していた。このままでは村は破壊されてしまう。アレンはスーマンの体の内部から脱出し、己のイノセンスの力を最大で解放し「咎落ち」状態の体を村に近かずかないように試みるが・・・。
アクマの大群はそれが目的であったかのように白い巨大な物体に次々と攻撃を仕掛けた。やがて、物体の胸の部分に穴が開き、そこには人間の上半身が覗かれた。「スーマン…?」半信半疑のうちにつぶやいたリナリーは、やがて、叫び声を上げて取り乱す。驚くアレンを前にリナリーの絞り出すような声が続いた。「咎落ち…使徒の…なり…そこない」イノセンス不適合者が無理にシンクロしようとすることによって起こる事態が何故スーマンを襲ったのか…!