夢を失った女性と、記憶を失った男性が奏でる 切なくも美しいヒューマンラブストーリー
夢を失った女性と、記憶を失った男性が奏でる 切なくも美しいヒューマンラブストーリー
「たとえあなたが私を忘れても、私はいつまでも、あなたを愛し続ける」――何度も傷つきながら、ようやく自身の心の核心にたどり着いた美璃(堀田真由)は、空(萩原利久)との結婚を決意。空も、また記憶を失ってしまう怖さを含め、“生きている実感”を与えてくれる美璃とともに、これからの人生を歩んでいく覚悟を決める。 美璃たちの大胆な決断は、保(風間俊介)や沙菜(岡田結実)を驚かせる。だが、美璃と空の覚悟の深さを知った二人は、その想いを尊重し、門出の後押しをしてくれる。ところが、美璃の母・ゆかり(加藤貴子)は猛反対。記憶を失う可能性のある空に結婚の責任は果たせないと考えるゆかりから、美璃たち二人は厳しい言葉で詰め寄られてしまう。 一方、空の母・理佐子(檀れい)は…。
ある朝、いつものようにキッチンカーにやってきた美璃(堀田真由)は、空(萩原利久)から突然、他人行儀な笑顔と言葉を向けられる。車内の壁一面に貼られていた二人の思い出の写真もない。恐れていたことが起きた絶望感に襲われる美璃。空は再び記憶を失くしてしまったのだ…。 ショックのあまり一日中家にこもっていた美璃の部屋に、空の異変を知った茜(畑芽育)が訪ねてくる。今この状況で美璃にとっての“最悪”は空が死ぬこと。でも空は生きている。障害を抱えてこの先も生きていく空と付き合うかどうかは、美璃次第だと声をかけ…。 その後美璃は、勇気を振り絞って空のキッチンカーに赴き、改めて自己紹介をして、恋人に戻るのは難しくても、従業員としてここで働くと宣言する。しかし、「一人のほうが気楽だから」と、空に拒絶されてしまい…。
コンサートを成功させピアノ講師に復帰した美璃(堀田真由)は、携帯ショップでのアルバイトを辞め、レッスンの空き時間に空(萩原利久)のキッチンカーで働き始める。空と一緒にいられる今を大切に見つめていこうとする美璃。一方で空は、記憶を取り戻したことで、今まで感じなかった人未来への不安や、また記憶を失ってしまうことへの恐怖を感じるようになる。美璃と共に生きる未来のために、ダブルワークを始める空。無茶をし過ぎではないかと心配する保(風間俊介)に、空はとある本音を告白する...。 空「記憶が戻ってから、楽しいことも多いけど、苦しいことも多くなりました」 空の言葉に親身に耳を傾ける保。実は、その保にも大きな転機が訪れており...。そんな中、何の前触れなく、東京から美璃の母・ゆかり(加藤貴子)が訪ねてくる。美璃と一緒にいる空に訝しげな視線を送るゆかり。はたして、ゆかりが訪ねてきた理由とは...。
ある日、茜(畑芽育)は、記憶を失う前に通っていた高校の同級生から声をかけられる。思いがけず自分の知らない過去と、記憶を失ったきっかけをも知った茜は、ショックのあまり、それを隠していた母の光恵(須藤理彩)に当たり、保(風間俊介)の診察にも来なくなってしまう。 その頃、美璃(堀田真由)は、病院でのピアノコンサートに向け準備を進めつつ、難しいフレーズで指がもつれ、演奏途中で止まってしまった音大時代のトラウマを思い出しては、不安な日々を過ごしていた。コンサートの情報を聞きつけ、連絡をくれたまりあ(森香澄)や、東京からわざわざ聴きに来るというゆかり(加藤貴子)にも、冷たい態度をとってしまう美璃。プレッシャーに負け、ついにはコンサートをやめることまで考え始める美璃を、空(萩原利久)が優しく勇気づける。 美璃は、空に促されるまま、二人で初めて廃墟を訪れた時に即興で演奏した曲の続きを弾き始める。その音に誘われ、いつの間にか音信が途絶えていた茜が姿を現し…。新しい一歩を踏み出すため、それぞれが自分の過去と向き合おうとし
美璃(堀田真由)と共に理佐子(檀れい)の家を訪ねた空(萩原利久)は、束の間の楽しい時を過ごしたものの、その直後、突然のフラッシュバックに襲われ、キッチンカーごと姿を消してしまう。置き去りにされた美璃は、何が起きたのか分からず立ち尽くすばかり。そんな美璃の耳に沙菜(岡田結実)の厳しい言葉が飛び込んでくる。 沙菜「もしも…もし、あいつが死んだらあんたのせいや!」 8年前、空はある壮絶な体験から記憶を失っていた。実家訪問をきっかけに辛い過去を思い出してしまった空は、自ら命を断つかもしれない…。美璃は自分の軽はずみな行動を悔いつつも、今は何より空を見つけ出すことが先決と、こどもの頃から空と多くの時間を共有してきた沙菜の記憶を頼りに、空が行きそうな場所を探し回る。しかし、空の姿はどこにもない…。 その頃、空は、父の智也(丸山智己)との思い出に耽りながら、一人海の中へと歩を進めていた…
河野美璃(堀田真由)と青木空(萩原利久)の距離は、日に日に縮まっていく。だが、空にまた忘れられてしまう怖さから、美璃は友達以上の関係に踏み出すことができない。 一方で空は、自分で自分のことがわからない苦しみよりも、それで人を傷つけてしまうことに辛さを感じ、失くした記憶を取り戻すことができるのか、治療に興味を持ち始める。そんな中、美璃は宮下茜(畑芽育)から、忘れる側の気持ちを聞くことに。忘れる側の空と、忘れられる側の美璃。二人はそれぞれ、自分たちの間を阻む記憶障害に向き合い始める…。
青木空(萩原利久)のキッチンカーに再び通い始めた河野美璃(堀田真由)は、あくまでも“友達”として空に接しつつ、またいつか起こるかもしれない、空が自分を忘れた時のために、毎日、空の写真を撮り溜めていく。 そんな日々を送る中、美璃は藤川沙菜(岡田結実)とも再会。さらに、空にとって大切なある人物とも出会う。沙菜も、その人物も、痛みと覚悟を持って空の人生に関わっていることを知った美璃は…。
河野美璃(堀田真由)が奇跡的に再会を果たした青木空(萩原利久)は、藤川沙菜(岡田結実)の言う通り、美璃を覚えていなかった...。二人で交わした言葉、重ねた時間がすべて消えてしまい、過去と今がつながらない現実に苦しむ美璃。そんな美璃の異変に気づいた遠山保(風間俊介)は、病院にあるピアノを弾いてみるよう促す。美璃が久しぶりに奏でるピアノの音色に誘われ、やってくる保の患者、宮下茜(畑芽育)。彼女には空に似た記憶障害があり...
ピアニストになる夢を諦め、東京の実家を離れて神戸に一人移り住んだ河野美璃(堀田真由)は、音大時代の奨学金返済を抱えつつも、神戸在住の従兄弟で心療内科医の遠山保(風間俊介)見守りの下、音楽教室のピアノ講師としてささやかな生活を送っている。そんな日々の中で美璃は、帰り道の公園で初めて見かけたキッチンカーに、大好きなメロンジュースがあることを知る。今の美璃にはちょっと手が出ない高級品。だが、大事な予定が控えたある日、美璃は景気づけに購入を決意。この一杯が美璃に、店主・青木空(萩原利久)の微笑みと、何かが始まる予感を運んでくる…。