狼の耳と尻尾を持つ可憐な少女と出会った行商人のロレンス。“豊作の神”ホロと名乗る少女が言った北の故郷へ帰りたいという言葉に絆された彼は、彼女と旅をすることになる。そんな二人に持ち掛けられた儲け話。そのカラクリを探ろうとした二人は、ある事件に巻き込まれていく。
狼の耳と尻尾を持つ可憐な少女と出会った行商人のロレンス。“豊作の神”ホロと名乗る少女が言った北の故郷へ帰りたいという言葉に絆された彼は、彼女と旅をすることになる。そんな二人に持ち掛けられた儲け話。そのカラクリを探ろうとした二人は、ある事件に巻き込まれていく。
暴動で混乱に陥ったレノスの町の裏側で、商人同士の商戦も勃発していた。それを勝ち抜くべく奔走するエーブとロレンス。しかし、商人の誉れである莫大な利益を目前にして、ロレンスの胸には一抹の不安と迷いがあった。傍らのホロはそれに感づくのだが…。
エーブと協力して毛皮を買い付けることになったロレンスは、ホロを担保にデリンク商会から融資を引き出す事に成功する。既にエーブは毛皮の買い付け先も確保しており、ロレンスは夢実現への道筋をつけたも同然だった。ホロの身柄と現金の引き換えを翌日に控え、宿で穏やかなひと時を過ごす二人…。しかし、ホロは突然別れを切り出してくる!
エーブと協力して毛皮を買い付けることになったロレンスは、ホロを担保にデリンク商会から融資を引き出すことに成功した。しかし、既にエーブは毛皮の買い付け先も確保しており、ロレンスは夢実現への道筋をつけたも同然だった。ホロの身柄と現金の引き換えを翌日に控え、二人は宿で穏やかなひと時を過ごすが…。
毛皮の取り引きを現金に限定するという決定が出された。多額の現金を持ち合わせている商人が少ない中、現金を集めて出し抜くことが出来れば利益は莫大になる。エーブはそこを突いて毛皮を買い占めようと画策していた。その金策のためにホロを利用しようというエーブの誘いに、ロレンスは商人としての血が騒いでしまい…。
エーブに紹介してもらったリゴロを訪ねたホロとロレンス。現れたリゴロは、エーブから聞かされていた人物像と違い、柔和で笑顔を絶やさない男だった。リゴロから伝承の記された書物をホロのために快く借りられ、何もかもが順調に進んでいるかと思えたロレンス。だが、ホロが内に抱えている思いは意外なものだった…。
市壁の外で屯していたのは毛皮を買い付ける商人たちで、会議の決定如何では彼らの取り引きが制限されるという興味深い話を聞いたロレンス。真相を知るにはリゴロに接触するのが一番早いのだが、会議が紛糾する中、それも難しい。すると同じ宿にいたエーブと名乗る女商人が、リゴロを紹介するとロレンスに近づいてきて…。
ホロの伝承が残るというレノスの町に到着したロレンスたちは、市壁前で商人たちが屯しているのを目にする。不穏な空気を察知しつつも、馴染みの宿に落ち着いた二人。翌日、主人のアロルドに古い伝承に詳しい人物を尋ねたところ、年代記作家のリゴロの名が挙がる。彼は町の方針を掌る会議の書記を務めているらしく…。
手持ちの黄鉄鉱を売り浴びせ、相場急落のタイミングを狙うロレンス。しかし、手持ちの黄鉄鉱の量が充分でないばかりか、ディアナから黄鉄鉱を買い付けたという先客との譲渡交渉の行方も分からない。アマーティの動きに焦りを募らせる中、ディアナから届いた伝言の内容は、ロレンスの僅かな希望を打ち砕くものだった…。
アマーティとの間に黄鉄鉱の信用売りの契約を交わしたロレンス。その契約の終局は、黄鉄鉱の相場の振れ方如何でどちらかが深い痛手を負うというものだった。手元に黄鉄鉱が無いまま契約を結んだロレンスは、錬金術師と通じるディアナを頼る。しかし、ディアナは黄鉄鉱を買い付けにきた先客がいると彼に告げて…。
黄鉄鉱を利用して借金完済を目指すアマーティに対抗する手段を探すものの、祭りの高揚感に包まれた町で石の値段は上がり続けていた。ヨイツの情報に関する誤解からホロに拒絶されたロレンスは、途方にくれて宿に戻るのだが、そこには二通の書類が残されていた。一方はアマーティに関する情報。そしてもう一方には…。
ロレンスへの莫大な借金に縛られているとアマーティに伝えたホロ。それを信じ込んだアマーティは、ホロを救うべくロレンスに挑戦じみた契約を申し込んだ。その内容は、借金を肩代わりした暁にはホロとの婚姻をロレンスが承認するというもの。自信に満ちた表情で、その契約を受け入れたロレンスだったが…。
ロレンスは馴染にしている麦商人のマルクを訪ね、そこで町の年代記作家への伝手を得る。早速、町の北側へ足を踏み入れるが、そこは忌み嫌われる錬金術師たちが住む区域だった。そして現れた年代記作家は、長い黒髪と謎めいた雰囲気をまとった美しい女性だった。ディアナと名乗る彼女は、ヨイツに関する情報を語り始め…。