ずっとイジメられっ子のレッテルを貼られていた実(ミノリ)。 そんな彼女の笑顔を見たいと願う方(タカシ)と杏子(キョウコ)は、ある雨の日の午後、思い切って声をかける。 けれど結局、本当の笑顔は見られないまま、彼女は体調を崩し学校に来なくなってしまう。 それから二ヶ月・・・方と杏子の元へ一通の不思議なメールが届いた。 送り主の名前もなく返信すら出来ないそのメールは、隣町の夏祭りを知らせるものだった――
ずっとイジメられっ子のレッテルを貼られていた実(ミノリ)。 そんな彼女の笑顔を見たいと願う方(タカシ)と杏子(キョウコ)は、ある雨の日の午後、思い切って声をかける。 けれど結局、本当の笑顔は見られないまま、彼女は体調を崩し学校に来なくなってしまう。 それから二ヶ月・・・方と杏子の元へ一通の不思議なメールが届いた。 送り主の名前もなく返信すら出来ないそのメールは、隣町の夏祭りを知らせるものだった――
タカシとキョウコの手元に遺されたミノリの携帯電話。その意味を覚った2人は、世界を隔てても、あの雨の日の約束を果たすべく、3人でメールを綴っていく決意をする。未来へ向けて……。
ミノリの想いが書き綴られたメールは、圏外だって、消されたって、タカシとキョウコに届いている。だって、タカシもキョウコも同じ想いを抱いているのだから。それは、3人の『想い』が重なって起こされた奇跡。
携帯電話を残して消えてしまったミノリを、昨夜のクラスメイトたちも巻き込んで探し回る。明かされたミノリの現実、残されていた1通のメール、そしてタカシとキョウコに届いたメールの送り主とは……。
ミノリは別れの時が来たと覚り、独り消えていこうとする。しかし、タカシとキョウコから差し伸べられた手を彼女は思わず取ってしまう。そして雨が静かに降り続く中、雨宿りをしながら最期の優しい時間を過ごす。
神社裏の浜辺に佇む灯台へとたどり着いた3人。そこから広がっていたのは、自分たちの街の灯りだった。灯りに浮かぶ日常の様々なシーンに、それぞれの心に秘めた切なる想いが溢れ出す。
夏祭りで再会した3人は夜店を楽しむが、クラスメイトの男の子たちと遭遇してしまい、そこでもいじめられそうになる。逃げる3人の前にまた別の女の子たちも現れるが、彼女たちは彼らとは違った意外な行動を取る。
ミノリはもう学校に来ないという噂が立つ。打つ手のないまま夏休みに入ってしまったある日、2人の元に送り主の名前もなく返信すら出来ない不思議なメールが届く。それは、あの神社の夏祭りを知らせるものだった。
水族館の帰り道、遠ざかる夕暮れの神社を眺めているミノリに、解決策はまだ見つからないけれど、とにかく彼女を独りぼっちにだけはさせないと決意する2人。しかし、しばらくして彼女は学校に来なくなってしまう。
待ちに待った週末。隣町では人目を気にする必要が無く、3人は開放的になり水族館を満喫する。けれど、クリオネの特別展へと足を進めた頃、ミノリの掛かり付けの病院に彼女の伯母が呼び出されていた。
自分たち以外にも味方が一人いると知って喜ぶキョウコだったが、教室に入った途端また萎縮してしまい自己嫌悪に陥る。その様子を見たタカシは、週末3人で隣町の水族館に行けば解決策が浮かぶかもしれないと励ます。
いじめの対象にされ、いつも独りぼっちのミノリ。 そんな彼女の笑顔を見たいと願うタカシとキョウコ。 しかし、クラスの空気には逆らえず、なかなかその一歩が踏み出せないでいた。